Research

Pick Up

Peripheral Visual Field

経路側方の開放性と注視特性

進行方向側方を無意識的に探索させることで、経路をより深く体験させることができるのではないか。吹き抜け部分に設置された縦格子の見付幅を広くし間隔を狭くすることで吹き抜けに対する被験者の反応を抑える結果になった。寸法を調整することで、連続性の低下を最小限に抑えながら空間の展開性を向上させることも可能となると考える→ Detail

窓の形状と精神的負担

窓の幅と窓外歩行者の通過速度を変数として、その組み合わせが在室者の精神的負担と作業集中度に与える影響を計測した。精神的負担の指標としては、窓外歩行者の通過時に出現する皮膚電位反応のパターンを用いた。実験の結果、窓幅が広い条件において窓外通行者への注目度が上がることにより、作業集中度が低下することが分かった→ Detail

周辺視への周期的視覚刺激と感覚時間2

周期的視覚刺激の提示範囲を周辺視野の一部に制限し、提示面積および提示位置の変化が感覚時間に影響を与えるか否かを検証した。左右の周辺視野にのみ周期的視覚刺激を提示すると、静止刺激条件に比べて、時間を短く感じることが明らかになった。周期的視覚刺激を周辺視野の一部に提示することで、感覚時間を操作できる可能性が示唆される。→ Detail

ランドマークによる空間定位と周辺視

ランドマークを基準とした空間定位の精度と視野領域との関係の定量的な検証を行った。結果、ランドマークが細い条件では、中心視野領域でランドマークを捉えられないと空間定位の精度が有意に低下することが分かった。逆に、ランドマークが太い条件では、周辺視でランドマークが捉えられないと空間定位の精度が有意に低下することがわかった。→ Detail

窓の形状と精神的負担1

大きすぎる窓は、作業に対する集中度の低下など精神的側面にネガティブな効果をもたらすと考えられる。 仮想環境技術と皮膚電位計測を併用した被験者実験により、窓の形状と窓外を通過する人の動きとの関係が在室者の精神的負担に及ぼす影響を検証した。複数の窓形状と動く人影を仮想環境内に構築し、それぞれの条件での被験者の皮膚電位反応を抽出した→ Detail

周辺視への周期的視覚刺激と感覚時間1

点滅を繰り返す周期的視覚刺激を画面端に提示し、感覚時間に与える影響を分析した。実験の結果、周辺視野への周期的視覚刺激は被験者の周辺視野で知覚されていても、一定のテンポを意識しない作業を妨げる影響は小さいことが分かった。また、点滅回数が増えるほど感覚時間は長くなり、点滅回数が60 [回/分]で感覚時間は最も長くなることが示された。→ Detail

ランドマークの配置と方向感覚

ランドマークの数とその配置が方向感覚に与える影響を検証した。実験ではまず、複数のランドマークに囲まれた位置を主観視点で記憶させ、その位置を別の場所から推定させるタスクを課した。複数のランドマークのうち1本だけを異なる配色とした計測も行った。結果、5本や6本といった多くのランドマークが並んでいる条件では、位置の推定精度が低下することが示された→ Detail

経路幅と距離知覚

没入型仮想環境を用いた被験者実験を行い、経路幅の変化が人間の距離知覚にどのような影響を与えるのかを検証した。結果、幅8.0mの経路では、基準である幅3.0mの経路よりも距離を短く評価することがわかった。またデータの推移から、経路幅が8.0mまで広がることで、距離知覚に顕著な差が生じることが示された。 → Detail

Spatial Evaluation

線状配置されたボラードの効果

線状配置されたボラードが歩行者にもたらす安心感及び飛び出し抑止効果を検証した。実験の結果、ボラード間隔が広がることで、安心できるボラード高さが高くなることが分かった。また被験者の眼高が安心感と関係する可能性が示唆された。追実験では、線状配置されたボラード列がもたらす飛び出し抑止効果について検証した。その結果、道路への飛び出し時にボラードによる加速度の低下が認められた。→ Detail

床段差と室空間の容積感との関係

床段差が空間全体の容積感に与える影響を検証するため、段差高さと、段差高さの事前認識の有無とを実験変数とした被験者実験を行った。結果、室空間の容積は、段差の高さを事前に認識していない条件ではより大きく認識されることがわかった。また段差の高さが大きくなるほど、段差の高さに対する事前認識があった条件よりも、事前認識のなかった条件の方が、容積を過大評価することがわかった。→ Detail

病棟平面計画と看護業務

患者受け持ち制を実施していた病棟が、エリア受け持ち制に変更した場合において、システム変更前後の看護師の追跡調査を実施した。その結果、既存の病棟において適当な看護体制を行うことで、スタッフ間の連絡の効率化がみられ、担当範囲を限定することで、ベッドサイドナーシングの提供につながることが分かった。一方、病棟全体で行われる転床への対応は困難であった。→ Detail

垂壁の寸法と空間の奥行き感

垂れ壁の寸法や観測位置から垂れ壁までの距離、調節する可動壁の初期位置など、それぞれの初期条件の変化が、垂れ壁の奥に広がる空間に対する奥行き感に与える影響を分析した。実験の結果、可動壁の調節開始位置が基準位置よりも奥である場合、垂れ壁の奥の空間の奥行きは実際より狭く知覚されることが明らかとなった。 → Detail

店構えのオフセットと街路中心軸

街路に面した店構えのオフセットが街路中心軸の知覚に与える影響を、仮想環境技術を用いた被験者実験を通して検証した。「街路中心軸」とは、被験者の感覚的な街路の中心位置と定義する。実験の結果より、中間領域の形態と初期位置における中間領域の有無の2つの要因が街路中心軸の決定に影響を与えることが分かった。 → Detail

玄関の形状と「家に帰った」感

玄関の空間形状が内と外の境界の形 成に及ぼす影響を検証した。実験変数は、玄関の重要な空間構成要素である段差の高さ、土間の奥行 き、廊下幅の3つとした。玄関の扉から「外を感じなくなる」までの距離を指標とし、玄関空間の構成要因が「家に帰った」感に与える影響を検証した。 → Detail

空間寸法の変化と感覚時間

空 間⼨法の変化が感覚時間と注視特性に及ぼす影響を検証した。結果、⼩さい空間⼨法の空間へ移動する条件では、同⼀の空間⼨法の空間へ移動する条件や、⼤きい空間⼨法の空間へ移動する条件よりも再⽣時間が有意に短くなった。この結果から、シークエンスを通して空間⼨法が⼩さくなることで感覚的に評価される持続時間は短くなることが⽰された。→ Detail

照明配置と天井高の感覚量

ダウンライトの配置パターンが天井高の感覚量に及ぼす影響を検証した。結果、矩形の天井面にダウンライトを4つ配置する場合、中央に集めて配置するより、分散して配置する方が天井高は高く評価されることがわかった。また色温度が4000Kと3000Kでは、天井高の感覚量に及ぼす影響に大きな違いはないこともわかった。 → Detail

空間の大きさと感覚時間

This study investigated the effects of size, which is a fundamental component, of space on sense of time by a subject experiment using virtual environmental technology. Through the analysis of experimental results, we aim to obtain knowledge for practical control method of sense of time in a space design. → Detail

美術館疲れと展示コーナーの構成

美術館での鑑賞体験は楽しいものであるが、状況によっては、鑑賞後に満足感よりも疲労感が多く残ってしまうことがある。美術館展示におけるコーナー構成が、鑑賞パターンと疲労度に与える影響を検証した。実験の結果、コーナー接続型より中央ホール型のほうが、唾液アミラーゼ活性による疲労度は低く、かつ絵画に対する注視時間が長いことがわかった→ Detail

Way Finding

街路方向の指示と風景異化

街路方向の指示の正誤が既視の街路を同定するまでの時間に及ぼす影響を検証した。実験の結果、空間定位基準となる街路方向を誤指示することで、街路同定時間が大幅に伸長することがわかった。伸長した差分の時間を、風景異化が生起した時間と位置づけるならば、風景異化の生起を街路方向の指示の仕方によって操作できることが示されたことになる。→ Detail

歩行経路の中の記憶に残りやすい場所

歩行時に視線が集まり、かつ記憶に残りやすい場所の特徴を検出するための実験を行った。その結果、壁面のボタンを押すというタスクを行いながら歩行する際には、注視がボタン周辺に集中し、ボタン周辺の記憶が促進されることがわかった。また、ボタンの下側で動線を考慮した進行方向側が最も注視が集まり記憶が促進される可能性が示唆された。→ Detail

未知の街路と既知の街路

過去に体験した空間と、いま体験している空間が同じ場所であると認識することを「空間同定」という。人間はある街路を歩行する際、方向感覚や距離感覚などの各種の感覚を駆使することで都市空間および建築空間から得られるさまざまな情報をその内面において再統合しており、それらとの照合によって街路の同定と非同定を滑らかに繰り返している。→ Detail

遠方・近傍の目印と空間同定

自己中心的参照系を主用参照系とする参加者では、近傍に目印がある街路において、街路同定時間が有意に短縮する。固定的参照系を主用参照系とする参加者では、遠近に関わらず目印のある街路において、街路同定時間が有意に短縮する。各参照系の特徴に沿って基準としやすい目印を街路上に配置することで、街路同定時間が短縮することが明らかになった。→ Detail

Immersive Virtual Environment 

VR空間内での植物的効果の再現

This research is based on the hypothesis that by adding external factors to the virtual green space viewed through a head-mounted display, which only provides visual information, the virtual green space will be perceived as more realistic, and the relaxation effect will be the same as in a real green space. In the experiment, the subjects were asked to type on a computer and then experience a virtual green space through a head-mounted display. → Detail

AR経路案内の表示高さと歩行特性

An experiment was conducted in a virtual environment with several virtual person figures and a route guidance sign. It was concluded that the smaller the difference between the height of the sign and the height of an obstacle existing on the route, the more stable and easier to walk. Therefore, when providing route guidance using AR technology, it is easy to walk by displaying the route guidance signs at a height close to the obstacle. → Detail

顔面への照明とパーソナルスペース

天井照明の操作による被接近者の顔の見え方の変化が前面方向パーソナルスペースに及ぼす影響検証した。実験の結果、VR技術で再現した仮想室内空間では、視対象とする被接近者顔面の鉛直面照度が天井照明の輝度操作により50~750lx前後で変化するとき、接近時のPSは対数的な拡大縮小の変化傾向を示すことが分かった → Detail

Gait and Locomotion

色彩パターンと歩行速度

経路側方の色彩パターンが、歩行速度に与える影響を検証した。 機序を理解することで、群集の操作や街路の魅力向上などに貢献できる建築計画的な知見を獲得することができる。実験の結果、特に注視点が固定されていない場合、カラフルな壁面テクスチャを用いた条件の方が、低彩度のテクスチャを用いた条件よりも歩行速度が速いことが有意に示された。→ Detail

曲線通路の形状と方向感覚

本研究では、曲線通路の形状における様々な要素が方向判断に与える影響について検証した。得られた知見を以下に示す。曲率半径が大きい通路の方が、回転角の判断がずれやすく、回転角の認知も曖昧になる傾向がある。水平視野角が狭い状態で通路を歩行した方が、通路の回転角を大きく感じる傾向がある

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身体・障害物の視覚情報とまたぎ動作

外受容的視覚情報(Extero-Info)は歩き始めから障害物を跨ぐ1歩手前まで継続して取得され、歩幅の調整や爪先部のクリアランスを確保する為にフィードフォワード的に使用される。外固有受容的視覚情報(Expro-Info)は障害物を跨ぐ直前から集中的に取得され、障害物を跨ぐ際の爪先部のクリアランスを確保する為にオンライン的に使用されている。→ Detail

経路幅による注視特性の変化と距離知覚

We examined the effects of changes in path width on distance perception and gaze position with a pseudo walking experiment. As a result, When the path width was widened, the path was perceived short, and when the path width was narrowed, the path was perceived to the same extent. And it was suggested that the gaze position of the subject who perceived the distance as short moved to the back of the path. → Detail

通路の曲率半径と方向感覚1

曲線通路の曲率半径が、人間の方向感覚の正確さに与える影響を検証した。結果、方向感覚のずれは通路の回転角が90度以上になると徐々に大きくなっていき、120度で最も大きくなり、そこから180度に近づくにつれて小さくなる傾向があることがわかった。

また曲率半径が大きい曲線通路の方が方向感覚のずれが大きくなることもわかった→ Detail