Reading

基本方針

論文の読み方

論文の構成

論文の選び方

・査読付きの論文を選ぶ(採用決定、Acceptedと記載があるもの)

審査を通っているので一定のクオリティがある(参考文献にしやすい)。

・掲載論文誌で選ぶ

海外のメジャー論文誌・計画系論文集>技術報告集>支部の報告書>>大会梗概


読み方のレベル

・ざっくり読み:概要をつかむ。タイトル → 図 → まとめ → 細部へ

・しっかり読み:詳細を理解する。知らない単語はマークし、あとで調べる。

・批判的な読み:信頼できるか?他の方法は?何がまだわかっていないか?


論文の構成

背景:先行研究の成果を並べ、何がまだ明らかにされていないかを述べる

目的:研究の対象とする問いの限定。結果の予測と適用範囲も何となく示す。

方法:目的を達成するために何を測るか、使用機材、再現できるように丁寧に

結果:計測したデータの推移と統計的な有意差(判断を含まない事実のみ)を記述

考察:結果の解釈のパターンを列挙し、どの解釈が妥当かを記述(先行研究と比較)

文献:本文で言及している文献のみ掲載する。査読付きの論文のほうがよい。


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  現実の世界(煩雑で広漠)

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   ↓        ↑

   背景        考察(とまとめ)

   ↓        ↑

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  研究の世界(限定的、でも分析が可能)

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      ↓        ↑ 

   目的 → 方法 → 結果


論文の言葉遣い(語尾の処理)

事実:

~である。~であった。~ことがわかった。

推測:

~と考えられる(列挙した根拠から論理的に導き出されるニュアンス)

~と推察される(実験結果から論理的に導き出されるニュアンス、中)

~示唆される、(実験結果から論理的に導き出されるニュアンス、弱)

~ではないだろうか(他にも解釈の可能性はあるけれど、、、)

参考:浦上昌則, 脇田貴文:心理学・社会科学研究のための調査系論文の読み方, 東京図書, 2021

背景の書かれ方

問題の限定」と「用語の定義」

・一般的に理解されやすい疑問から話をはじめる

・既往研究を列挙し重要な課題であることを示す

・タイトルで使われている用語を順番に定義する

・検証する対象と条件を明示し、問題を限定する


タイプ1:解決していない問題があることを示す

吉岡ら1)は、**によって、**を明らかにした。 (著者>手法>知見の順)

・杉山は、*によって、*2)や*3)を明らかにした。 (同一著者で複数の知見)

・鈴木4)や菊池5)は、**し、**を明らかにした。 (複数の論文をまとめる)

↓↓

このように、**を調査した先行研究は数多くある。

しかし、**を検証した研究はこれまでになかった。


タイプ2:問題の解決が重要であることを示す

・大島ら6)は、**によって、**を明らかにした。

・河野ら7)は、**によって、**を明らかにした。

↓↓↓

このように、***を調査した先行研究は数多くある。

**の検証と**としての整理が重要であると考える。


タイプ:研究で採用したい概念や手法を示す

小林8)は、**手法によって**を明らかにした。

↓↓↓

小林らの手法(分類)は、**という点で有効である。

本研究でも**を検証するためにこの手法を採用した。


タイプ4:??


英文と和文の併記

Sugiyama,T., Yoshioka,Y.: Relationship Between Bending Pattern of Leading Passage and Feeling Value of Ceiling Height in High Ceiling Room, Journal of Architecture and Planning (Transactions of AIJ),  Vol.86,No.782, pp.1224–1232, 2021(in Japanese)杉山拓哉, 吉岡陽介: アプローチ空間の形状と吹き抜け空間の天井高の感覚量との関係, 日本建築学会計画系論文集, Vol.86,No.782, pp.1224–1232, 2021 (DOI:https://doi.org/10.3130/aija.86.1224)


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著者名:論文タイトル,雑誌名,巻,号,頁,発行年月の順

:」「.」「,」「.,」などの記号の使い分けにも注意


Ex.

著者名> 杉山拓哉, 吉岡陽介: 

タイトル> アプローチ空間の形状と吹き抜け空間の天井高の感覚量との関係, 

雑誌名> 日本建築学会計画系論文集, 

巻号頁> Vol.86,No.782, pp.1224–1232, 

発表年> 2021

DOI DOI:https://doi.org/10.3130/aija.86.1224



考察の書かれ


レベル1:実験の結果を簡略化して提示

レベル2:結果からわかること一般化

レベル3:既往研究の結果との比較

レベル4:適用範囲と意義

レベルリミテーション



過去の輪読会で紹介された論文のまとめ

重要文献リスト

他の感覚に対する視覚の優位性について実証的に論じた論文