立山 流留

玄関の空間寸法と家に帰った感

玄関は、「内」と「外」の間にある。家という「内」と、 社会という「外」の間にあり、両者を隔て、かつ繋ぎとめ る中間領域としての役割を果たしている。特に都市住宅に おいてその役割が顕著に現れており、人間の日常的な「外」 と「内」の出入りは玄関を通じて行われる。既往研究では、家という内の領域が 住宅の外に漏れ出すことについて検証した事例が多くみられる。 一方、外部の領域が玄関を通してどこまで家の内部に侵 入しているかについての研究はみられない。

本研究では、玄関の空間形状が内と外の境界の形 成に及ぼす影響について、被験者実験をとおして分析する こととした。実験変数は、玄関での日常的な行為を踏まえ、 玄関の重要な空間構成要素である段差の高さ、土間の奥行 き、廊下幅の3つとした。玄関の扉を通過してから被験者 が「外を感じなくなる」までの距離を指標とし、玄関空間 を構成する3つの要因の変化が帰宅時の外を感じなくなる場所に与える影響を検証した。

解説動画:玄関の空間寸法と家に帰った感

研究成果


18T0067A立山流留.pdf