Academic Writing
はじめに
自己流では書かない
既往の論文からお手本を探して表現形式をマネするわかりやすく書くこと
読者の知識とのギャップを埋めるように丁寧に書く
新しい知識や技術を、誤読されないように記述する難解さと面白さ
「ケーキはしょっぱい」は「ケーキは甘い」より難しい
読者の既知の知識とのギャップの大きい宣言だから
ただ多くのケーキには塩が含まれるため真ではある
新しい知識はギャップが大きいゆえに新しく難しい
ギャップを放置すると難解なままで共感されないが
ギャップを埋める記述ができれば面白い文章になる
論文の構成
論文の構成
背景:先行研究の成果を並べ、何がまだ明らかにされていないかを述べる
目的:研究の対象とする問いの限定。結果の予測と適用範囲も何となく示す
方法:目的を達成するために何を測るか、使用機材、再現できるように丁寧に
結果:計測したデータの推移と統計的な有意差(判断を含まない事実のみ)を記述
考察:結果の解釈のパターンを列挙し、どの解釈が妥当かを記述(先行研究と比較)
文献:本文で言及している文献のみ掲載する。査読付きの論文のほうがよい。
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現実の世界(煩雑で広漠)
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↓ ↑
背景 考察(とまとめ)
↓ ↑
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研究の世界(限定的、でも分析が可能)
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↓ ↑
目的 → 方法 → 結果
論文の言葉遣い(語尾の処理)
事実:
~である。~であった。~ことがわかった。
推測:
~と考えられる(列挙した根拠から論理的に導き出されるニュアンス)
~と推察される(実験結果から論理的に導き出されるニュアンス、中)
~示唆される、(実験結果から論理的に導き出されるニュアンス、弱)
~ではないだろうか(他にも解釈の可能性はあるけれど、、、)
参考:浦上昌則, 脇田貴文:心理学・社会科学研究のための調査系論文の読み方, 東京図書, 2021
背景の描き方
背景の役割
「問題の限定」と「用語の定義」
・一般的に理解されやすい疑問から話をはじめる
・既往研究を列挙し重要な課題であることを示す
・タイトルで使われている用語を順番に定義する
・検証する対象と条件を明示し、問題を限定する
既往研究の引用
タイプ1:解決していない問題があることを示す
・吉岡ら1)は、**によって、**を明らかにした。 (著者>手法>知見の順)
・杉山は、*によって、*2)や*3)を明らかにした。 (同一著者で複数の知見)
・鈴木4)や菊池5)は、**し、**を明らかにした。 (複数の論文をまとめる)
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このように、**を調査した先行研究は数多くある。
しかし、**を検証した研究はこれまでになかった。
タイプ2:問題の解決が重要であることを示す
・大島ら6)は、**によって、**を明らかにした。
・河野ら7)は、**によって、**を明らかにした。
↓↓↓
このように、***を調査した先行研究は数多くある。
**の検証と**としての整理が重要であると考える。
タイプ3:研究で採用したい概念や手法を示す
・小林8)は、**の手法によって**を明らかにした。
↓↓↓
小林らの手法(分類)は、**という点で有効である。
本研究でも**を検証するためにこの手法を採用した。
タイプ4:??
参考文献リストの書式:建築学会の仕様
英文と和文の併記
Sugiyama,T., Yoshioka,Y.: Relationship Between Bending Pattern of Leading Passage and Feeling Value of Ceiling Height in High Ceiling Room, Journal of Architecture and Planning (Transactions of AIJ), Vol.86,No.782, pp.1224–1232, 2021(in Japanese)杉山拓哉, 吉岡陽介: アプローチ空間の形状と吹き抜け空間の天井高の感覚量との関係, 日本建築学会計画系論文集, Vol.86,No.782, pp.1224–1232, 2021 (DOI:https://doi.org/10.3130/aija.86.1224)
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・著者名:論文タイトル,雑誌名,巻,号,頁,発行年月の順
・「:」「.」「,」「.,」などの記号の使い分けにも注意
Ex.
著者名> 杉山拓哉, 吉岡陽介:
タイトル> アプローチ空間の形状と吹き抜け空間の天井高の感覚量との関係,
雑誌名> 日本建築学会計画系論文集,
巻号頁> Vol.86,No.782, pp.1224–1232,
発表年> 2021
DOI> DOI:https://doi.org/10.3130/aija.86.1224
考察の書き方
考察の役割
考察のレベル
レベル1:実験の結果を簡略化して提示
レベル2:結果からわかること一般化
レベル3:既往研究の結果との比較?
レベル4:適用範囲と意義
レベル5:リミテーション