吉田晃貴

街路灯の配置特性が歩行者の心理的ストレスに及ぼす影響

夜間は、犯罪に巻き込まれる危険性が高くなると言われている。人々はどのような場所で犯罪不安を抱きやすいのか、どうすれば犯罪不安を軽減することができるかといった検証が、様々な研究において行われている。その中でも、街路の明るさが犯罪不安の有無に大きな影響を与えることが報告されている。街路の明るさを確保する手段として街路灯が挙げられる。しかし街路灯を過剰に配置すると、光害・グレア・維持費の増大などの問題が生まれてしまう。周辺環境に配慮しつつ、街路の明るさを確保するような街路灯配置計画が求められている。

本研究では、街路灯の配置計画が、街路歩行者が他の歩行者に対して抱く不安感に与える影響を、没入型仮想環境技術を用いた被験者実験によって検証した。実験結果の定量的な分析を通して、街路灯の配置計画によって、夜間にストレスを抱きにくい街路環境を設計するための資料を得ることを本研究の目的とした。

本研究では、2つの被験者実験を行った。実験1では、街路灯の配置間隔によって実験参加者が抱く不安感が変化するか検証を行った。街路灯を12.5m,25m,50mの間隔で配置した仮想環境上の街路を作成した。街路灯の配置間隔が変化が、歩行者の不安感の抱き方に影響を与えるか検証した。

実験2では、街路灯の配置方法によって実験参加者が抱く不安感が変化するのか検証を行った。3つの方法で街路灯を配置した。同じ街路灯の配置量の場合、どのように街路灯を配置すれば、より歩行者が不安感を抱かずに歩行することができるか検証した。

本報の一連の実験で得られた知見を以下に示す。本研究を発展させることで、地方自治体などが限られたコストで街路灯計画を行う際に、少ない光源であっても歩行者が安心感を得やすい街路を計画することができるだろう。